肩こりに筋トレは効果的?鍛えるだけではなく「動き方」まで見る理由|つくばみらい市
「肩こりには筋トレがいいと聞いた」
「肩甲骨周りを鍛えているけれど、肩こりが変わらない」
「筋力不足が肩こりの原因なの?」
デスクワークや運動不足が続くと、こうした疑問を持つ方もいると思います。
結論からいうと、慢性的な首・肩の症状に対して運動療法は有力な選択肢の一つです。
特に頚部・肩甲帯周囲の筋力や持久力を高める運動については、慢性頚部痛の痛みや機能改善を支持する研究があります。
ただし、
肩こり
↓
筋力不足
↓
筋トレすれば治る
という単純な話ではありません。
筋力だけでなく、
首・肩の可動域、肩甲骨・胸郭の動き、運動時の症状、デスクワーク時間、身体活動量、睡眠
なども確認する必要があります。
前回No.6では「正しい姿勢を固定するより、姿勢を変えられること」を解説しました。
今回はその続きとして、肩こりに対して筋トレをどう考えるのか、施術と運動をどう使い分けるのかを解説します。
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肩こりに筋トレは効果がある?
慢性的な首・肩の症状に対して、運動療法が役立つ可能性はあります。
オフィスワーカーを対象としたシステマティックレビューでは、頚部・肩周囲を対象とした運動によって首の痛みが軽減する可能性が報告されています。
また、慢性非特異的頚部痛に対する運動療法についても、筋力トレーニング、運動制御、持久力などさまざまな方法が研究されています。
つまり、
「肩こりだから運動してはいけない」
という考え方ではありません。
一方で、どんな肩こりにも同じ筋トレをすればよいわけでもありません。
まず症状と身体機能を確認する必要があります。
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「筋力不足だから肩こり」とは限らない
肩こりの方に対して、
「背中の筋肉が弱いですね」
「肩甲骨周りを鍛えましょう」
と言われることがあります。
実際、筋力や持久力を評価することには意味があります。
ただし、
筋力が弱い
=肩こりの原因
とは限りません。
例えば筋力が十分でも、
・8時間以上デスクワークをする
・ほとんど姿勢を変えない
・運動習慣がない
・睡眠状態が悪い
・仕事の負担が大きい
などの条件が重なっている場合があります。
反対に、筋力が低くても肩こりを感じない人もいます。
そのため、筋力は原因認定の材料ではなく、身体機能を把握するための評価項目として考えます。
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肩甲骨を寄せる筋トレをすればいい?
肩こり対策として、
・ローイング
・バンドプルアパート
・フェイスプル
・肩甲骨を寄せる運動
などが紹介されることがあります。
これらが悪いわけではありません。
問題は、
「猫背だから肩甲骨が開いている」
↓
「寄せれば正しい位置になる」
という説明です。
腕を動かすとき、肩甲骨は固定されているわけではなく、胸郭上を動きます。
必要なのは、
肩甲骨を一つの位置へ固定する能力ではなく、動作に応じて動けること
です。
そのため、肩甲骨を寄せる運動だけでなく、
・腕を上げる
・押す
・引く
・身体を支える
など、複数の動きを確認します。
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肩甲骨は「正しい位置」に固定した方がいい?
基本的には、肩甲骨を常に同じ位置へ固定する必要はありません。
肩関節を動かすときには、上腕骨だけでなく肩甲骨や胸郭も連動します。
例えば腕を頭上まで上げるときには、肩甲骨の上方回旋などが必要になります。
そのため、
胸を張る
+
肩甲骨を寄せる
+
そのまま腕を上げる
ことが必ずしも自然な動きとは限りません。
肩甲骨についても、
「位置」だけを見るのではなく「動き」を見る
ことが重要です。
人体は壁に掛けた額縁ではないので、左右対称の位置へ固定することがゴールではありません。
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胸郭の動きも肩こりに関係する?
腕を上げる動作では、肩関節・肩甲骨だけでなく胸郭も関わります。
例えば、
・腕を上げる
・頭の後ろへ手を回す
・背中へ手を回す
などの動作では、肩だけを単独で使っているわけではありません。
そのため肩こりの評価でも、
首
+
肩関節
+
肩甲骨
+
胸郭
の動きを確認します。
ただし、
胸郭が硬いから肩こりになった
と一つの原因に決めつけるわけではありません。
胸郭を動かしたときに、
・腕が上がりやすくなるか
・首の負担感が変化するか
・症状が変化するか
を見ます。
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肩こりならどんな筋トレから始める?
症状によって変わりますが、基本的には低負荷から開始して反応を見る方が安全です。
例えば、
1.肩関節・肩甲骨を動かす
壁を使った腕上げなど、まず大きな負荷をかけずに動きを確認します。
2.引く運動
ゴムチューブや軽いケーブルなどを使ったローイング。
3.押す運動
壁へのプッシュアップなどから始めます。
4.肩周囲の筋力トレーニング
症状に応じて負荷を上げていきます。
重要なのは、
「この種目が肩こりに効く」
と種目名で決めることではありません。
運動後に、
・症状が軽くなる
・変わらない
・一時的に少し疲れる
・翌日まで悪化する
など、身体がどう反応したかを確認します。
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筋トレ中に肩がこる場合は?
筋トレをしていて肩こりが強くなる場合、
「フォームが悪い」
だけで片づけないことが重要です。
確認したいのは、
・負荷が重すぎないか
・回数が多すぎないか
・セット数が多すぎないか
・可動域が合っているか
・呼吸を止めていないか
・運動後どの程度で戻るか
・翌日に症状が残るか
です。
フォームは大切ですが、フォームだけでなく負荷量も運動処方の一部です。
フォームを完璧にして重量だけ無慈悲に増やしたら、身体は普通に抗議します。
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「肩をすくめない」は本当に正しい?
筋トレ指導では、
「肩をすくめないでください」
と言われることがあります。
特定の運動では有効なキューになることがあります。
しかし、すべての動作で肩甲骨を下げ続ける必要はありません。
特に腕を頭上へ上げる動作では、肩甲骨は上方回旋します。
そのため、
肩甲骨を下げて固定すること
を目的にするのではなく、
動作に応じて適切に動けること
を考えます。
これはNo.6で説明した「正しい姿勢を固定しない」という考え方と同じです。
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肩こりにはストレッチと筋トレ、どちらがいい?
どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。
例えば、
動かすと楽になる
↓
可動域運動やストレッチ
運動不足がある
↓
身体活動を増やす
筋力・持久力に課題がある
↓
筋力トレーニング
特定の動作で症状が出る
↓
動作練習
というように、評価によって内容を変えます。
さらに、施術によって症状を調整しながら運動を行う場合もあります。
重要なのは、
ストレッチ vs 筋トレ
ではなく、
今の身体に何が必要か
です。
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マッサージと筋トレはどちらがいい?
これも二択ではありません。
徒手療法などで一時的に症状が軽減する場合があります。
その状態を利用して、
・可動域を広げる
・身体を動かす
・筋力をつける
・日常生活へ戻す
という流れを作ることもできます。
一方、
施術を受ける
↓
数日後に戻る
↓
また施術
を繰り返している場合には、運動や日常生活まで確認する価値があります。
施術と運動は敵対勢力ではありません。
役割が違います。
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デスクワーク中の肩こりには「運動量」も見る
週1回ジムで筋トレをしていても、
残りの時間をほとんど座って過ごしている場合があります。
反対に、筋トレをしていなくても、
・通勤で歩く
・仕事中によく移動する
・家事で身体を動かす
など日常活動量が多い人もいます。
そのため、
筋トレしているか・していないか
だけでは身体活動を評価できません。
WHOの身体活動ガイドラインでは、成人に対して週150〜300分の中強度有酸素活動、または75〜150分の高強度活動と、週2日以上の筋力強化活動を推奨しています。
これは肩こり専用の処方ではありませんが、健康全体を考えるうえで身体活動量を確認する一つの目安になります。
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痛みがある状態で筋トレしてもいい?
痛みがあるから運動を全面禁止する必要があるとは限りません。
ただし、
・突然強く痛くなった
・事故や転倒後
・腕や手に力が入らない
・強いしびれがある
・歩行障害がある
・発熱を伴う
・突然の激しい頭痛がある
場合には、運動より医療機関での評価を優先します。
重大な問題が除外された慢性的な首・肩症状であれば、症状を確認しながら運動を取り入れることがあります。
「痛いなら絶対安静」と「痛くても気合でトレーニング」の中間に、かなり広い選択肢があります。
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運動後に少し痛くなったら失敗?
必ずしもそうではありません。
運動後に一時的な筋疲労や違和感が出ることはあります。
確認したいのは、
運動中
・症状はどの程度か
運動直後
・元の状態へ戻るか
数時間後
・悪化していないか
翌日
・日常生活に影響していないか
です。
運動の負荷は、
重量 × 回数 × セット数 × 頻度
で変わります。
症状が強く残るなら、運動そのものを全部やめるのではなく、負荷量を調整する方法もあります。
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みらい平Life Fun鍼灸接骨院では何を評価する?
肩こりの方へ運動を提案する前に、症状に応じて次のような項目を確認します。
1.首・肩の可動域
首を左右へ向く、腕を上げるなどの動きを確認します。
2.肩甲骨・胸郭
腕の動きに対して肩甲骨・胸郭がどう動いているか確認します。
3.筋力・持久力
必要に応じて、押す・引く・支えるなどの動作を確認します。
4.姿勢・重心
頭部、胸郭、骨盤、足部の位置関係や身体の支え方を確認します。
ただし、左右差をそのまま原因とは判断しません。
5.動作
腕を上げる、物を持つ、デスクワークなど、実際に困っている動作を確認します。
6.身体活動量
普段どの程度歩くか、運動習慣があるかなどを確認します。
7.生活背景
仕事、育児、睡眠など、身体への負荷が変化する条件も確認します。
「肩こりだから僧帽筋を鍛える」のではなく、評価してから運動内容を決めることを重視しています。
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施術からパーソナルトレーニングへどう移行する?
みらい平院では、整体・鍼灸とパーソナルトレーニングを同じ施設内で行っています。
そのため、
Phase 1|症状が強い
施術やセルフケアを利用しながら、日常生活で症状を悪化させる負荷を整理します。
Phase 2|動けるようになってきた
可動域運動や低負荷トレーニングを開始します。
Phase 3|筋力・持久力を戻す
押す、引く、持つ、支えるなどの運動へ進めます。
Phase 4|再発予防・身体づくり
仕事・育児・スポーツなど、その人の生活に必要な体力を作ります。
もちろん、全員がPhase 4までパーソナルトレーニングを受けなければいけないわけではありません。
施術だけで十分な人もいれば、自分で運動できる人もいます。
必要なものだけを選ぶ方が合理的です。
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「治療して終わり」にしない選択肢
肩こりの施術後、
「楽になったから終了」
でも問題ありません。
一方で、
「仕事をするとまた戻る」
「運動したいけれど何をしたらいいか分からない」
「筋トレすると首肩に力が入る」
という方では、症状改善の次に身体機能を確認する価値があります。
これは「治療を長引かせる」という意味ではありません。
むしろ、
施術が必要な時期
と
自分で身体を管理する時期
を分ける考え方です。
最終的に施術を受け続けなければ身体を維持できない状態をゴールにする必要はありません。
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まとめ|肩こりの筋トレは「何を鍛える?」から始めない
慢性的な首・肩の症状に対して、運動療法は有力な選択肢の一つです。
ただし、
肩こり
↓
背中が弱い
↓
筋トレ
と自動的に決める必要はありません。
確認したいのは、
・首・肩の可動域
・肩甲骨・胸郭
・筋力・持久力
・姿勢・重心
・実際の動作
・身体活動量
・仕事
・睡眠
です。
そのうえで、
施術 → 動ける状態を作る
運動 → 動ける範囲を広げる
トレーニング → 必要な身体能力を作る
と役割を分けます。
みらい平Life Fun鍼灸接骨院では、肩こりを「硬い筋肉をほぐして終わり」にせず、必要に応じて姿勢・動作・筋力・運動習慣まで評価しています。
参考文献・公的資料
- Chen X, Coombes BK, Sjøgaard G, Jun D, O’Leary S, Johnston V. Workplace-Based Interventions for Neck Pain in Office Workers: Systematic Review and Meta-Analysis. Physical Therapy. 2018.
オフィスワーカーの頚部痛に対する運動を含む職場介入を検討しています。 - Gross A, et al. Exercises for mechanical neck disorders. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015.
慢性頚部痛に対する頚部・肩甲帯の筋力・持久力トレーニングなどを検討したCochraneレビューです。 - Blanpied PR, et al. Neck Pain: Revision 2017 Clinical Practice Guidelines Linked to the International Classification of Functioning, Disability and Health. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(7):A1-A83.
頚部痛の分類に応じて運動療法、徒手療法、教育などを組み合わせることを推奨しています。 - de Zoete RMJ, et al. Comparative effectiveness of physical exercise interventions for chronic non-specific neck pain: a systematic review with network meta-analysis of 40 randomised controlled trials. British Journal of Sports Medicine. 2021;55:730-742.
慢性非特異的頚部痛に対するさまざまな運動方法を比較したネットワークメタ解析です。 - World Health Organization. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. 2020.
成人に週150〜300分の中強度有酸素活動、または75〜150分の高強度活動、週2日以上の筋力強化活動を推奨しています。
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