肩こりは姿勢を良くすれば改善する?「正しい姿勢」より大切なこと|つくばみらい市
「肩こりは猫背が原因と言われた」
「姿勢を良くしようと胸を張っているけれど、逆に疲れる」
「デスクワーク中、正しい姿勢を意識しているのに肩がこる」
こうした経験がある方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、肩こりと姿勢には関連がみられる場合がありますが、「悪い姿勢=肩こりの原因」と単純に決めることはできません。
特にデスクワークでは、姿勢の形そのものだけではなく、同じ姿勢を長時間続けること、身体活動量、仕事環境、首・肩・胸郭の動き、睡眠やストレスなど複数の要素を考える必要があります。
つまり、「猫背をまっすぐに直せば肩こりが治る」というほど人体は素直ではありません。
今回は、肩こりと姿勢の関係、「正しい姿勢」を維持し続ける必要があるのか、みらい平Life Fun鍼灸接骨院では姿勢・動作をどのように評価しているのかを解説します。
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肩こりは姿勢が悪いから起こる?
姿勢だけから肩こりの原因を判断することはできません。
首の姿勢と頚部痛の関連を検討したシステマティックレビューでは、成人では前方頭位と頚部痛との関連を示す研究がある一方、その関係は年齢などによって異なり、因果関係までは確立されていません。
つまり、
頭が前に出ている
↓
首・肩へ負担がかかる
↓
肩こりになる
という説明は分かりやすいのですが、実際の身体はもう少し複雑です。
同じような姿勢でも肩こりのない人もいます。
反対に、見た目の姿勢が整っていても首や肩に症状がある人もいます。
姿勢は評価材料の一つとして考えるのが適切です。
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「猫背だから肩こり」は間違い?
完全な間違いというわけでもありません。
例えば頭部が前方に位置した姿勢では、頚部周囲にかかる機械的負荷が変化する可能性があります。
また、パソコン作業やスマートフォン使用などでは一定の姿勢を長時間続けることがあります。
そのため、姿勢と症状の関係を見ること自体には意味があります。
問題なのは、
猫背を見つけた
=肩こりの原因を見つけた
としてしまうことです。
姿勢を確認したら、
・その姿勢で症状が出るのか
・姿勢を変えると症状が変化するのか
・首を動かしたときはどうか
・腕を上げたときはどうか
・仕事後と休日で違うか
まで確認します。
写真1枚で原因が全部分かるなら、臨床評価は随分ラクな仕事になってしまいます。
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「正しい姿勢」なら肩はこらない?
ずっと維持すべき唯一の正しい姿勢がある、と考える必要はありません。
よくあるのが、
「背筋を伸ばす」
「胸を張る」
「肩甲骨を寄せる」
ことを一日中意識しているケースです。
一見きれいに見えても、それを筋力で固定し続ければ疲労することがあります。
大切なのは、
良い姿勢を固定することより、同じ姿勢を長時間続けないこと
です。
デスクワークでも、
座る
↓
少し姿勢を変える
↓
立つ
↓
歩く
↓
また座る
というように身体を動かす機会を作ります。
「正しい姿勢を8時間維持する」という修行を仕事中に追加する必要はありません。
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デスクワークでは「姿勢」より「時間」も確認する
デスクワークによる首・肩症状を考える場合、座り方だけでなく、
・連続して座っている時間
・パソコン作業時間
・休憩頻度
・モニターの位置
・キーボードやマウスの位置
・仕事中の身体活動
・仕事後の運動量
なども確認します。
例えば、
Aさん
猫背気味だけれど30分ごとに立って動く。
Bさん
見た目はきれいな姿勢だけれど3時間ほとんど動かない。
これだけで「Aさんの方が肩こりになりやすい」とは判断できません。
姿勢の形だけではなく、その姿勢をどれくらい続けているのかまで見る必要があります。
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肩こりでは首だけを見ればいい?
肩こりでは僧帽筋や肩甲挙筋など首・肩周囲の筋肉が気になります。
しかし腕を上げたり、物を取ったりする動作では、
頚椎
+
肩関節
+
肩甲骨
+
胸郭
が連動しています。
そのため、肩こりがあるからといって首だけを確認して終わりにはしません。
例えば腕を上げるとき、
・肩甲骨がどう動くか
・胸郭がどう動くか
・首を過剰に動かしていないか
・腰を反って代償していないか
などを確認します。
これは「肩甲骨がズレているから肩こり」という意味ではありません。
症状が出る動作を身体全体として見るためです。
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姿勢と重心にはどんな関係がある?
みらい平Life Fun鍼灸接骨院では、立位姿勢を見るときに身体の中心線や重心も確認しています。
例えば、
・頭部
・胸郭
・骨盤
・足部
がどのような位置関係になっているか。
左右どちらかへ荷重が偏っていないか。
立位から腕を上げたときに身体の支え方が変化するか。
などを確認します。
ただし、
重心が右にある
=右肩こりの原因
とは判断しません。
姿勢・重心を見る目的は「ズレを発見して矯正するため」ではなく、その人がどのように身体を支え、動いているかを把握するためです。
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肩こりと運動不足は関係する?
身体活動や運動も確認したい要素です。
特にデスクワーク中心の生活では、
仕事中は座っている
↓
通勤も車
↓
帰宅後も座る
↓
肩がこるのでさらに動かなくなる
という状態になることがあります。
オフィスワーカーを対象とした研究では、運動療法が首痛の軽減に役立つ可能性が報告されています。
ただし、
運動不足だから肩こりになった
とも断定できません。
肩こりが強いことで身体活動が減っている可能性もあります。
ここでも原因と結果を一方向に決めつけないことが重要です。
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肩こりなら筋トレした方がいい?
状態によります。
肩こりに対して、
・頚部周囲
・肩周囲
・肩甲骨周囲
などを対象とした運動療法が選択されることがあります。
しかし、いきなり重いダンベルを持つ必要はありません。
まず、
・首や肩を動かせるか
・腕を上げられるか
・運動で症状が悪化しないか
・普段どの程度運動しているか
を確認します。
そのうえで、
可動域を作る運動
↓
低負荷の筋力トレーニング
↓
日常生活・仕事・スポーツに必要な負荷
と段階的に考えます。
「肩こりには筋トレ」と聞いて翌日から肩トレ20セットを始める必要はありません。肩が別件で抗議を始めます。
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自分でできるデスクワーク対策
肩こりがある場合、最初に試しやすいのは姿勢を完璧にすることではなく、動く回数を増やすことです。
1.定期的に姿勢を変える
30〜60分程度を一つの目安として、
・立つ
・数分歩く
・肩を動かす
・首を軽く動かす
などを入れます。
厳密に30分である必要はありません。
「気づいたら3時間座りっぱなし」を減らすことが目的です。
2.画面位置を確認する
モニターが極端に低い、左右どちらかに偏っているなど、同じ方向へ首を向き続ける環境は調整します。
3.肘を支える
キーボードやマウス操作で腕を長時間浮かせている場合には、机やアームレストなどを利用します。
4.肩を軽く動かす
肩をすくめる、回す、腕を上げるなど、痛みを悪化させない範囲で動かします。
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ストレッチはした方がいい?
ストレッチによって楽になる人もいます。
ただし、
肩がこる
↓
筋肉が短い
↓
伸ばせば治る
とは限りません。
ストレッチ後に、
・動きやすくなる
・症状が軽くなる
・仕事中の不快感が減る
のであればセルフケアとして利用できます。
反対に、
・しびれが強くなる
・腕まで痛みが広がる
・鋭い首痛が出る
場合には無理に続けません。
セルフケアでも「やったかどうか」より、やった結果どう変化したかを見る方が重要です。
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マッサージで肩こりが楽になるならそれでいい?
マッサージや徒手療法で症状が一時的に軽減することはあります。
それ自体が悪いわけではありません。
ただし、
毎回ほぐす
↓
数日で戻る
↓
またほぐす
を繰り返している場合には、
「なぜ戻るのか」を筋肉の硬さ以外からも確認した方がよいでしょう。
例えば、
・仕事環境
・身体活動量
・首、肩の動作
・睡眠
・運動習慣
などです。
施術は選択肢の一つであって、肩こりへの対応すべてではありません。
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前回No.5の「睡眠」も姿勢と一緒に考える
前回は、睡眠状態と筋骨格系疼痛には関連があり、痛みと睡眠は双方向に影響する可能性があることを解説しました。
つまり肩こりがある人で、
デスクワーク8時間
+
ほぼ運動なし
+
睡眠不足
+
首肩の症状
という状態なら、「猫背だけ直す」という介入では情報が足りません。
姿勢・動作だけでなく、
仕事 × 身体活動 × 睡眠 × 症状
として整理する必要があります。
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こんな肩こりは医療機関へ
肩こりのように感じても、次のような症状がある場合には医療機関での評価を優先します。
・事故や転倒後から強く痛む
・腕や手に力が入りにくい
・強いしびれや感覚低下
・歩きにくい
・発熱を伴う首痛
・突然の激しい頭痛
・胸痛や息苦しさ
・症状が急速に悪化している
「昔から肩こりだから今回も同じ」と決めつけないことが重要です。
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みらい平Life Fun鍼灸接骨院では肩こりをどう評価する?
当院では、肩こりだからといって肩を触って終わりにはしません。
症状に応じて次のような項目を確認します。
1.症状の経過
・いつから
・どんな場面で
・朝と夜で違うか
・仕事と休日で違うか
を確認します。
2.首・肩の可動域
首を左右へ向く、腕を上げるなど、症状と関連する動きを確認します。
3.立位・座位姿勢
頭部、胸郭、骨盤、足部などの位置関係を確認します。
4.重心
左右・前後への身体の支え方を確認します。
ただし「重心のズレ=原因」とは判断しません。
5.動作分析
腕を上げる、物を持つ、座るなど、実際に症状が出る動作を確認します。
6.肩甲骨・胸郭
腕の動きに対して肩甲骨や胸郭がどのように動いているか確認します。
7.生活習慣
デスクワーク、育児、運転、運動量、睡眠などを確認します。
姿勢写真だけで治療方針を決めるのではなく、「症状がどの条件で変化するか」まで評価することを重視しています。
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施術とパーソナルトレーニングはどう使い分ける?
みらい平院では整体・鍼灸だけでなくパーソナルトレーニングも行っています。
ただし、
肩こりがある
↓
筋力不足
↓
筋トレが必要
と自動的に判断するわけではありません。
例えば、
症状が強い時期
まず痛みや可動域、日常生活への影響を確認し、施術やセルフケアを中心に考えます。
症状が落ち着いてきた時期
肩・肩甲骨・胸郭を動かす運動などを追加します。
再発予防や身体づくりを考える時期
筋力や運動習慣に課題がある場合には、パーソナルトレーニングを選択肢として検討します。
施術からトレーニングへ全員を送ることが目的ではなく、その人に今必要なものを選択することが重要です。
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まとめ|「正しい姿勢を作る」より「動ける身体」を考える
肩こりがあると、
「姿勢が悪いですね」
と言われることがあります。
しかし、姿勢と肩こりの関係はそれほど単純ではありません。
重要なのは、
姿勢の形
だけを見るのではなく、
・同じ姿勢を続けている時間
・首、肩、肩甲骨、胸郭の動き
・重心
・デスクワーク環境
・身体活動量
・睡眠
・症状が変化する条件
をまとめて確認することです。
そのため目標も、
「24時間きれいな姿勢でいる」
ではありません。
必要なときに姿勢を変えられ、身体を動かせること。
みらい平Life Fun鍼灸接骨院では、肩こりを肩だけの問題として考えず、姿勢分析・動作分析・日常生活・運動習慣まで確認し、必要に応じて施術と運動を組み合わせています。
参考文献・根拠
- Mahmoud NF, et al. The Relationship Between Forward Head Posture and Neck Pain: a Systematic Review and Meta-Analysis. Current Reviews in Musculoskeletal Medicine. 2019;12:562-577.
成人の前方頭位と頚部痛との関連を検討したシステマティックレビュー・メタ解析。姿勢と症状の関連は認められるものの、因果関係を直接証明するものではありません。 - Chen X, et al. Effectiveness of exercise in office workers with neck pain: A systematic review and meta-analysis. South African Journal of Physiotherapy. 2018;74(1):392.
オフィスワーカーの頚部痛に対する運動介入を検討し、運動療法による痛み軽減の可能性を報告しています。 - Côté P, et al. Management of neck pain and associated disorders: A clinical practice guideline from the Ontario Protocol for Traffic Injury Management Collaboration. European Spine Journal. 2016.
頚部痛について教育、運動、徒手療法など複数のアプローチを状態に応じて選択することを推奨しています。 - Blanpied PR, et al. Neck Pain: Revision 2017 Clinical Practice Guidelines Linked to the International Classification of Functioning, Disability and Health. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2017;47(7):A1-A83.
頚部痛を単一の姿勢異常ではなく、可動域、筋力、機能、症状などを含めて分類・評価する臨床ガイドラインです。 - Runge N, et al. The bidirectional relationship between sleep problems and chronic musculoskeletal pain: a systematic review with meta-analysis. Pain. 2024;165(11):2455-2467. PMID: 38809241.
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